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運動した後のお酒は大丈夫?フィットネスとアルコールの上手な付き合い方

「運動した後のビールは最高!」
そんな楽しみを持っている方も、
いらっしゃるのではないでしょうか。

汗をかいた後のお酒は、
いつもよりおいしく感じるものです。
一方で、
「せっかく運動したのに、
お酒を飲んだら意味がない?」
「適度なお酒なら健康に
良いって聞いたけれど、本当?」
「運動しているから、
多少飲んでも大丈夫?」
そんな疑問を持つ方も少なくありません。

実は、アルコールと健康の関係については、
これまで当たり前だと思われていた
考え方が見直されています。

今回は、
健康のために運動を続けている方
こそ知っておきたい、
フィットネスとアルコールの
上手な付き合い方について考えてみましょう。


まず知っておきたい。
「運動したから飲んでも大丈夫」ではない
運動をすると、身体はさまざまな変化を起こします。
筋肉を使い、体温が上がり、汗をかき、
運動後には身体の回復が始まります。
そこで気をつけたいのが、
運動後のアルコールです。
アルコールには利尿作用があり、
運動後の水分補給という意味では適していません。
また、飲酒量が多くなると、
睡眠の質や身体の回復にも影響する可能性があります。
さらに、運動後に大量のアルコールを摂取した場合、
筋タンパク質の合成が抑えられたことを示す研究もあります。
ここで大切なのは、
「運動後にビールを1杯飲んだら、
トレーニングが無駄になる」
という話ではないことです。
むしろ注意したいのは、
「運動したから、今日は飲んでも大丈夫」
と考えて、飲酒量が増えてしまうこと。
運動した日は、まず水分補給、食事、休養。
お酒を楽しむのであれば、
そのうえで量やタイミングを考える。
この順番を意識するだけでも、
運動と飲酒の関係は変わってきます。

「適度なお酒は健康に良い」は本当?

「酒は百薬の長」という言葉があります。
これまでの研究でも、少量の飲酒をする人の方が、
まったく飲まない人より心血管疾患などの
リスクが低く見えることがありました。
このような関係は「Jカーブ」と呼ばれています。
飲酒量が増えるほど健康リスクが高くなる一方で、
少量の飲酒者ではリスクが低く見えることから、

「少しのお酒なら健康に良いのでは?」
と考えられてきました。

しかし、この結果をそのまま
「お酒は健康に良い」と解釈することには
注意が必要です。

飲酒しない人の中には、
もともとの健康状態などを理由に
飲酒をやめた人が含まれている可能性があります。
また、少量の飲酒者には、食事や運動、
社会的なつながりなど、健康に良い別の生活習慣を
持つ人が多い可能性もあります。

つまり、
「少量のお酒を飲むこと自体が健康を守っている」
とは、単純には言えません。

WHOも、アルコールについて
「健康へのリスクがゼロになる安全な量」
を設定することはできないとしています。
特にがんについては、
少量でもリスクが上がることが示されています。

だからこそ、現在は、

「健康のためにお酒を飲む」のではなく、
「飲むなら、そのリスクを理解して楽しむ」
という考え方が大切になっています。

では、どれくらい飲んでいる?
「純アルコール量」を知る

アルコールについて考えるとき、
ぜひ知っておきたいのが純アルコール量です。
同じ「1杯」でも、お酒の種類やアルコール度数によって、
身体に入るアルコール量は変わります。
厚生労働省の
「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、
お酒の量だけではなく、
そこに含まれる純アルコール量を
把握することが重要とされています。

計算方法は、
純アルコール量(g)=飲酒量(ml)×
アルコール度数(%)÷100×0.8
です。
例えば、アルコール度数5%の
ビール500mlなら、
500ml × 5% × 0.8 = 20g
となります。


ここで注意したいのが、
「20gなら安全」という意味ではない
ということです。
厚生労働省が示している
「男性40g以上、女性20g以上」という数値は、
生活習慣病のリスクを高める飲酒量の目安であって、
「ここまでは飲んでも大丈夫」
という許容量ではありません。(厚生労働省⁠)
大切なのは、自分が普段どれくらい
飲んでいるのかを知ること。
まず「見える化」することが、
飲み方を考える第一歩になります。

お酒を「やめる」だけが答えではない。
「減らす」という選択

「健康のためには、
 お酒を完全にやめた方がいい」
そう分かっていても、
「仕事の付き合いがある」
「食事と一緒にお酒を楽しみたい」
「いきなりやめるのは難しい」
という方もいるでしょう。
そんなときに考えたいのが、
「減酒」という選択肢です。
例えば、
•いつもより1杯少なくする
•大きなグラスから小さなグラスに変える
•お酒の合間に水や炭酸水を飲む
•飲み始める前に「今日はここまで」と決める
•毎日飲む人は、飲まない日をつくる
•度数の低い飲み物に置き換える
など、小さな変更から始めることができます。
アルコールについても、
いきなり「0」にするのではなく、
今より少し減らす。
という考え方があります。

実際、筑波大学附属病院には
「アルコール低減外来」があり、
「お酒を減らしたい、やめたいけれど自信がない」
という人に対して、一人ひとりの健康リスクを考慮しながら、
本人に合った飲酒量の目標を
一緒に考える取り組みが行われています。
お酒を減らすことに自信がない場合や、
自分ではコントロールしにくいと感じる場合には、
医療機関など専門家に相談することも選択肢の一つです。

「ストレス解消のためのお酒」
になっていませんか?

もう一つ、考えてみたいのが
「なぜ飲むのか」です。
「仕事が終わったから」
「嫌なことがあったから」
「疲れたから」
「眠るために」
そんな理由でお酒を飲むこともあるでしょう。
アルコールには一時的に気分を高揚させたり、
緊張を和らげたりする作用があります。
しかし、飲酒は不安や抑うつなどの
精神的な問題とも関連しています。
厚生労働省も、不安や不眠を解消するための
飲酒を続けることは、依存症のリスクを高めたり、
睡眠リズムを乱したりする
可能性があるとしています。
そこで、
一度こんな質問を自分にしてみてください。
「私はお酒を楽しんでいるのか?」
それとも、
「お酒がないと、
 気分転換できなくなっていないか?」
もし後者に近いと感じたら、運動、入浴、睡眠、
家族との会話、友人との食事など、お酒以外の
「回復方法」を増やしてみるのも一つです。
フィットネスには、身体を動かすだけでなく、
生活のリズムを整えるという役割もあります。

フィットネスをしているからこそ、
「回復」まで考える

フィットネスの目的は、
単に運動することではありません。
筋力を維持する。
体力を保つ。
身体を動かしやすくする。
そして、毎日の生活をより快適にする。
そのためには、運動だけでなく、
食事・睡眠・休養・飲酒などを含めた
生活全体を見ることが大切です。
例えば、
運動した日
→ 水分補給をする
→ 食事をとる
→ 身体を休める
→ お酒を飲むなら量を意識する
→ しっかり眠る
というように、運動の「前後」まで含めて考えてみる。
せっかく運動を習慣にしているなら、
「運動したから飲んでも大丈夫」ではなく、
「運動しているからこそ、自分の身体の回復まで考える」
そんな視点を持ってみてはいかがでしょうか。

「飲まない」か「飲む」かではなく、
自分で選べること

健康を考えるなら、
アルコールは少ないほどリスクが低くなります。
一方で、お酒には食事を楽しんだり、
人との会話を楽しんだりする側面もあります。
だからこそ、「飲む・飲まない」
の二択だけで考える必要はありません。
大切なのは、
自分がどれくらい飲んでいるのかを知ること。
自分の身体にどんな影響があるのかを知ること。
そして、
「今日は飲まない」「今日は少しだけ」
「楽しむ日は楽しむ」と、自分で選べること。
なのではないでしょうか。
フィットネスも同じです。
一度だけ頑張るより、無理なく続ける。
完璧な食生活を目指すより、
できることを一つずつ変えていく。
お酒についても、いきなりすべてを変えるのではなく、
まず自分の飲み方を知る。
そして、少しだけ変えてみる。
健康のために我慢するのではなく、
これからも人生を楽しむために、
自分の選択肢を増やしていく。
それが、フィットネスとアルコールの
「上手な付き合い方」なのかもしれません。
今日の運動の後。
いつもの一杯を手に取る前に、
「今日は本当に飲みたいから飲むのか、
 それとも習慣だから飲むのか」
少しだけ考えてみる。
そんな小さな気づきから、
健康的なライフスタイルは始まります。

参考情報
・厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
・世界保健機関(WHO)「Alcohol」「Alcohol and cancer」
・筑波大学附属病院「アルコール低減外来」
・国際がん研究機関(IARC)「Reduction or Cessation of Alcohol Consumption」
※本記事は健康情報の提供を目的としたものであり、
特定の飲酒方法や治療を推奨するものではありません。
飲酒量や健康状態、服薬状況などについて不安がある場合は、
医師や専門家にご相談ください。

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