あとで 第四話
昼休みが終わるころ、
スマートフォンが震えた。
画面には、学生時代から付き合いの
続く友人の名前が表示されている。
『来月、久しぶりにみんなで集まらへん?』
その一文の下には、何人かの名前が並んでいた。
最後に会ったのは、いつだっただろう。
お互いに仕事があって、子どもの受験があって、
親のことも少しずつ気になり始め、
会おうと言いながら予定が合わないまま
年月だけが過ぎていた。
返事はすぐに書けた。
『その日はちょっと予定がわからへん。
また連絡するね』
送信すると、
画面は何事もなかったように静かになった。
断ったわけではない。
約束したわけでもない。
それなのに、
胸のどこかが少しだけ重かった。
仕事を終えて店を出ると、
風が季節をひとつ先へ運んできたようで、
日差しの強さとは違う涼しさが混じっている。
駐車場まで歩きながら、友人たちの顔を思い浮かべた。
笑い方は変わっていないだろうか。
髪には白いものが増えただろうか。
会えば、昔と同じように話せるのだろうか。
そんなことを考えているうちに車へ着き、
エンジンをかけても、
しばらく発進する気になれなかった。
帰宅すると、郵便受けに市の広報誌が入っていた。
買い物袋と一緒にテーブルへ置き、
夕飯の支度を終えたあとで何気なくページをめくると、
「健康づくり」という文字が目に入る。
歩くこと。
食べること。
眠ること。
どれも大切なのだろう。
けれど、その日気になったのは、
そこではなかった。
人と会うことも、
元気でいるためには大事なのかもしれない。
そんなことを思いながら広報誌を閉じると、
スマートフォンには友人から返信が届いていた。
『無理せんでええよ。
また会える日を楽しみにしてる』
短い文章なのに、不思議と温かかった。
「また」
その言葉に甘えてきた時間が、
どれくらいあったのだろう。
そう思ったまま、返信を書くことはできず、
窓の外に広がる夕暮れを静かに眺めていた。
スマートフォンが震えた。
画面には、学生時代から付き合いの
続く友人の名前が表示されている。
『来月、久しぶりにみんなで集まらへん?』
その一文の下には、何人かの名前が並んでいた。
最後に会ったのは、いつだっただろう。
お互いに仕事があって、子どもの受験があって、
親のことも少しずつ気になり始め、
会おうと言いながら予定が合わないまま
年月だけが過ぎていた。
返事はすぐに書けた。
『その日はちょっと予定がわからへん。
また連絡するね』
送信すると、
画面は何事もなかったように静かになった。
断ったわけではない。
約束したわけでもない。
それなのに、
胸のどこかが少しだけ重かった。
仕事を終えて店を出ると、
風が季節をひとつ先へ運んできたようで、
日差しの強さとは違う涼しさが混じっている。
駐車場まで歩きながら、友人たちの顔を思い浮かべた。
笑い方は変わっていないだろうか。
髪には白いものが増えただろうか。
会えば、昔と同じように話せるのだろうか。
そんなことを考えているうちに車へ着き、
エンジンをかけても、
しばらく発進する気になれなかった。
帰宅すると、郵便受けに市の広報誌が入っていた。
買い物袋と一緒にテーブルへ置き、
夕飯の支度を終えたあとで何気なくページをめくると、
「健康づくり」という文字が目に入る。
歩くこと。
食べること。
眠ること。
どれも大切なのだろう。
けれど、その日気になったのは、
そこではなかった。
人と会うことも、
元気でいるためには大事なのかもしれない。
そんなことを思いながら広報誌を閉じると、
スマートフォンには友人から返信が届いていた。
『無理せんでええよ。
また会える日を楽しみにしてる』
短い文章なのに、不思議と温かかった。
「また」
その言葉に甘えてきた時間が、
どれくらいあったのだろう。
そう思ったまま、返信を書くことはできず、
窓の外に広がる夕暮れを静かに眺めていた。
